プラナカン文化とは

■シンガポールはマレーシアから独立し、建国50年足らずの若い国ですが、この地に根ざした歴史ある文化「プラナカン文化」が今もなお残っています。新しいだけでないシンガポールの一面も覗いてみましょう。

■プラナカンとは15世紀末よりシンガポール、マレーシアのペナン島、マラッカなど海に面した外交に恵まれた土地に移民してきた中華系の子孫のことです。
これら中国からの移民が現地の女性(マレー人など)と結婚し、同時に当時の宗主国であったポルトガル、イギリス、スペインなどの西欧諸国との政治的、外交的なつながりもありそれら全ての文化が入り混じった
和洋折衷の贅を尽くした独自の生活スタイルを築き上げてきました。当時は社交界に出入りするなど、その豊かな財力が伺われます。プラナカンの男性をババ、女性をニョニャと呼ぶことからプラナカン料理のことをニョニャ料理とも呼びます。
近代的なビルが立ち並ぶシンガポールですが、今でもプラナカン文化の建築物が残り、その歴史を垣間見ることができます。



見学スポット

■プラナカン文化を学ぶ上で、まずはシティ・ホール駅からも近く、観光名所にあるプラナカン博物館に行って見ましょう。
3階建ての博物館にはプラナカンの歴史から実際に使用していた貴重な調度品などが数多く展示され、プラナカン文化をじっくりと学ぶことができます。また、お土産売り場もありますので色とりどりのプラナカン文化を日本でも楽しむことができます。

Peranakan Museumプラナカン博物館
39 Armenian Street, Singapore 179941
最寄駅
MRT シティーホール駅 徒歩10分
開館時間
月曜日:10am~7pm
火曜日~日曜日:10am~7pm (毎週金曜日は9pmまで)
入館料 大人$6(学生、60歳以上は$3)、6歳以下のお子さんは無料
http://www.peranakanmuseum.org.sg

■博物館以外にもシンガポールは至る所にプラナカンの歴史が残っていますが、特に有名なのが東部エリアにあるカトン地区です。ここでは建築物、調度品、装飾品を見学し、お土産屋さんもあり、またプラナカンの料理も味わえます。

ニョニャ料理

■プラナカンの女性ニョニャが作る伝統ある料理のことで中華料理、マレー料理が混ざり、スパイス、香辛料が加わり、丁寧に仕込みをされた味わい深いもの。甘み、辛味、酸味が混ざり、香り高く、カラフルな色合いで見ても楽しめるまさにプラナカン文化の象徴でもあります。旅行者でも挑戦できるものをいくつか紹介します。

■Laksaラクサ
チリペーストとココナッツミルク、干しえびのだしが効いたスープに米粉の太麺が入ったスープ麺のことで、具にはゆでたえび、魚のすり身(シンガポールのかまぼこ)、もやしなどが入りココナッツミルクの濃厚なスープがくせになります。

■Otak-Otakオタオタ
魚のすり身(イカ、エビなどもあり)にココナッツミルクとチリペースト、レモングラスなどの香辛料を混ぜ込みバナナの葉っぱで挟み、炭火で焼いたもの。1つずつはあまり大きくないのでおやつ感覚で食べたり、ビールのお供にも最適です。

■Kuihクエ
ニョニャ料理のデザートのことでもち粉、タピオカ、ココナッツミルク、香り付けのパンダンリーフを使い、モチモチしたカラフルなお菓子。



陶器

■プラナカンが使っていた彩り豊かな陶器があります。ピンクやペパーミントグリーンやクリームイエローで彩色豊かなもので鳳凰と牡丹などおめでたいシンボルが描かれた中華の伝統と技術を取り入れパステルカラーの高級な陶器です。博物館で保管されている
19世紀に中国の景徳鎮で、プラナカン用として製造されたもの以外にもお土産用に製造された手が届くものもあります。

ビーズ刺繍

■プラナカンの女性の嫁入り修行とも言われたビーズ刺繍とそのニョニャが着ていた繊細な生地にたくさんの刺繍がされたボディラインの美しい衣装のこと。

■ビーズ刺繍で作られたサンダルは1粒1粒縫い付けられたまさに芸術品です。ビーズの大きさも伝統的なものでは1.5ミリ以下という大きさ!ビーズの大きさにより値段は異なりますが出来上がったサンダルを購入することもできます($200から$1000など幅広い価格帯です)。

クバヤ

■クバヤはマレー、インドネシア系で今も残る繊細な生地に刺繍が大きく施されたボディラインの美しいニョニャの衣装です。日本でもパーティなどで使える
美しいドレスになります。体のラインが出るのでオーダーメイドで作られますが、お土産屋さんで既製品も手に入ります。

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