エリア:ナポリ:旧市街 ジャンル: 博物館・美術館
サンセヴェーロ家の王子である、ライモンド・ディ・サングロ公が、一族の礼拝堂を18世紀半ばに再建。現在は、サングロ公が造らせたとされる作品を集めた美術館として、公開されている。
館内に並ぶ幾つもの彫刻のうち、中でも秀作とされているのは、ジュゼッペ・サンマルティーノによる『聖骸布におおわれたキリスト像』。大理石を彫ったとは思えないほど繊細なヴェールと、その下に横たわる今にも目を開けそうなキリストに、くぎ付けになる人も多い。
また、ローマで活躍していたフランチェスコ・クエイローロの代表作とされるのが『覚醒』。これはサングーロ公が父親のアントニオ・トッレマッジョーレ公爵に捧げたもの。一方『羞恥』(アントニオ・コッラディーニ作)は、サングーロ公が生まれて間もなく亡くなった母親に捧げたものだ。
文学者であり科学者でもあったサングロ公は、ナポリのフリーメーソンのメンバーであったことでも知られる。彼は、芸術家たちの良きパトロンだった。そして発明家でもあったサングロ公は、地下室で様々な実験を秘密裏に行っていたと言われる。その証拠が、今も地下に保管されている人体模型だ。人体にくまなく走る血管を、ほぼ完璧に再現している。これはサグロ公がシチリアの医者ジュゼッペ・サレルノと共に作ったものと見られている。どのようにして、どんな材料や道具を使って、2人がこの精巧な模型を作ったのかは、未だに謎に包まれいる。
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