エリア:ナポリ:サンタルチア地区 ジャンル: 観光名所・旧跡 博物館・美術館
17世紀初頭、スペイン王フェリペ3世を迎え入れるため、建築家ドメニコ・フォンターナ指揮の元、着工された。スペイン帝国第2の都市にふさわしい、壮大な宮殿となることが期待されていた。工事は着々と進められ、間もなくファサードも完成する。しかし、フェリペ3世がこの城を訪れることは一度もなかった。
その後18世紀に入り、ブルボン家の王宮として使うことが決まり工事が再開されるものの、使用された期間はわずか。海からの攻撃に晒される危険のない、内陸のカゼルタ宮殿に宮廷が移されたからだ。
左右に長いファサードの1階部分の壁龕には、ナポリを統治した歴代王の立像が飾られている。これは19世紀末の改修で、サヴォイア家の邸宅として使われていた時に設置されたものだ。
現在、内部は王宮歴史的住居博物館として公開されている。1768年にフェルディナンド4世の結婚を記念し造られた宮廷劇場。カルロ王と妻マリア・アマリアを描いた『徳のアレゴリー』が飾られた玉座の間。金箔が輝かしい王の礼拝堂などなど。どの空間も、ナポリ王国の権力と財力を物語る、豪華な装飾と調度品に満ちている。ここは、ナポリ有数の美術品の宝庫なのだ。
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