この大統領府がブエノスアイレスで最も写真に撮られている建物と言っても過言ではないでしょう。大統領府は「カサ・ロサーダ」と呼ばれ、その意味はバラ色の家です。1862年から現在に至るまで、数多くの大統領がここで任務を務めてきました。多くの人が勘違いしていますが、ここに大統領は暮らしていません。大統領の住まいは、郊外のロス・オリボスというところに位置しています。
5月広場に向かっているのは実際は建物の裏側にあたります。ここにはバルコニーがあり、エビータやレオポルド・ガルティエリ将軍など多くの政治家が群衆に向けて演説を行った歴史の舞台です。映画「エビータ」ではマドンナが実際にここで撮影を行っています。
建物がバラ色に塗られたのは、サルミエント大統領が彼の任期(1868–74年)に、国の平和の象徴にしようと、当時の2大政党、連邦主義派と中央集権主義派のイメージカラーである赤と白を合わせたバラ色を選んだことによると言われます。しかし当時は非常に塗料の種類が少なかった時代であったため、苦心の末に石灰と牛の獣脂、血を混ぜて紅茶色ともつかぬバラ色を作り出したそうです。現在のものはオリジナルの色ではありませんが、ブエノスアイレスの象徴として観光客の主要観光スポットになっています。
土・日には午前10時から午後6時まで、一般向けの無料ツアーが行われています。所要時間は30分です。顔写真付きの身分証明書を持参しましょう。実際にエビータが立ったバルコニーに立つことも出来ます。その他にも毎日毎時護衛の交代を見ることができるほか、大統領博物館があり建物の歴史や、数々の大統領が所有していた何世紀にもわたるアイテムが展示されています。
(写真:トリップアドバイザー提供)
(写真:トリップアドバイザー提供)
エビータを始め、数多くの政治家が民衆に向けて演説を行ったバルコニーに立つことが出来ます。
(写真:トリップアドバイザー提供)
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