エリア:ナポリ郊外 ジャンル: 観光名所・旧跡 世界遺産
ブルボン家のカルロ王(後のスペイン王カルロス3世)の命で1751年に着工した王宮。1200の部屋と34の階段、そして1742の窓を持つ壮大な宮殿だ。どの部屋も豪華な芸術作品と調度品で飾られ、贅を尽くした当時の姿が偲ばれる。さらに120ヘクタールもの広さを誇る庭園があると聞けば、ナポリ王国の富と力がいかほどのものであったか、想像に難くない。
カルロ王は、この王宮の建設にあたり、曾祖父にあたる太陽王ルイ14世が営んだヴェルサイユ宮殿に匹敵するものを望んだと言う。建設には、彫刻家や造園家などを筆頭に、囚人や北アフリカで捕らえたイスラム教徒など数千人が従事したと言われる。
敵の攻撃を直に受けない町から離れた場所、ということでカルロ王はこの地を選んだ。建築総監督を務めたルイジ・ヴァンヴィテッリは、ナポリから宮殿まで続く並木道、宮殿をくり抜いたアーチの向こうには、庭園,大滝が一直線に配置されている設計図を提示し、採用された。庭園に流れる水路は、なんと3kmも続いている。
庭園では馬車に乗ることも、サイクリングを楽しむこともできる。休日などは芝生の上でピクニックを楽しむナポリ市民の姿も見られる。ナポリの喧騒を忘れ、のんびりと散策を楽しみたい。
併設されたイギリス庭園には世界中の植物が集められている。ポンペイの遺跡の一部が飾られるなど、当時イギリスで流行していた造園技術が伺える。
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